2013年10月30日

その土地本来の樹種をつかって命の森をつくりだす -森の長城プロジェクト-

森の長城プロジェクトがすすんでいます。今日は、プロジェクト提唱者で、同プロジェクト副理事長、生態学者の宮脇昭氏による特別講演会が開催されました(会場: 横浜・開港記念館)


このプロジェクトは、津波から命を守るための森の防潮堤を、東日本大震災の被災地沿岸部にきずくというプロジェクトです。 具体的には、震災瓦礫を埋めて ほっこらとした盛土をきずき、その上に、シイ・タブ・カシ類を中心とした土地本来の樹種を植樹して森にしようというプログラムです。このプロジェクトを、復興から立ち上がっていく日本のシンボル的事業にしたいとのことです。 私も協力しています。


森の長城をつくれば、津波のエネルギーを吸収し半減させ、津波の波を破壊し弱めることができます。植える木は木であれば何でもいいというのではなく、 森をつくるのならば、あくまでも土地本来の本物の森、自然の多様性を持った照葉樹林でおおわれた命の森をつくれというのが宮脇昭氏の主張です。


東日本大震災のときに、常緑広葉樹は津波がきてもなぎたおされずにのこりました。広葉樹としては、シラカシ、アカガシ、ネズミモチ、ユズリハ、シロダモ、タブノキ、スダジイ、ヤブツバキ、ウラジロガシ、アラカシなどがあります。しかし、海岸線でよくみかけるマツ林はダメでした。マツははやくそだちますが根が浅く、すぐに枯れてしまう傾向があります。


自然の森のように、できるだけいろんな種類が混ざっている方がよく、多様な種類の木を混ぜる、混ぜる、混ぜる。これが生物社会の掟だそうです。 特定の樹種を排除するのではなく、 多様な種類を競争・我慢・共生させながら、高木・亜高木・低木・下草がそだつ豊かな森をつくる、競り合いつつも共存するといった状態がのぞましいです。(たとえば、いやな姑がいても排除しないことです。口を開けて寝ている姿を見れば、あの人もあと100年ももたないとおもえるのですから。)


具体的な手順は次の通りです。
・根が良く発達したポット苗をそだてます。


・ポット苗を密植・混植(2〜3本/u)します。


・有機質に富む表土を客土します。


・植栽後、マルチングとして稲ワラを敷きます(4kg/u) (敷ワラ)。 


・維持管理のために、 植栽後3年間は除草作業をおこないます。


(注)植栽後は、ワラや枯れ葉、トウモロコシの葉をのせておくと、土壌流出がふせげ、土壌の分解もすすみます。つまり、物理的にも化学的にも土をまもることができます。


斜面の森のそだてかたは次の通りです。


・斜面に倒木を横におきます。


・枯れ葉を斜面にためます。


・今ある木を生かします。


・土地本来の木を植えます。


(注)林の状態に応じて、陽樹(マツなど)と陰樹(カシなど)の区別に注意します。陰樹の場合は日光が当たらなくてもそだち、しばらくすると種が落ちて自然に芽が出てきます。


あたらしいプロジェクトをはじめると、多くの人々が最初は批判ばかりをし、プロジェクトの欠点をさがして「引き算」だけをします。しかし、あるとき転換点がおとずれ、一斉にうごきはじめます。そのときまでの努力が大切です。


▼森の長城プロジェクトのウェブサイト



posted by ジオコスモス at 22:00| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする